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大腸ポリープ・大腸がん

大腸ポリープ

大腸ポリープとは

大腸ポリープは、大腸粘膜にできる隆起性病変です。
40~50歳以降に多くみられ、加齢とともに増加します。
腺腫と呼ばれる良性腫瘍であることが多いですが、これは大きくなると大腸がんに進行する前がん病変でもあります。

陥凹型ポリープ(くぼみのあるタイプ)は10mm以下の小さいものでもがん化していることが多く、大きくなるススピードも速い傾向があります。

なお悪性のポリープでも、早期に内視鏡手術で治療をすれば、完治が望めます。

大腸ポリープの症状

大腸ポリープは初期には無症状です。
大きくなると腸閉塞を起こし、便秘や下痢、腹痛などの症状が現れることがあります。
また、便の通過による摩擦で出血することもあります。

大腸ポリープの原因

大腸ポリープの発生には、加齢、食生活、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣が関与していると考えられています。
40歳頃から増加し、高カロリー食や加工肉・赤身肉の過剰摂取などはリスクを高めます。
稀に、家族性大腸ポリポーシス症などの遺伝的要因が影響する場合もあります。
非腫瘍性ポリープは、潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患に伴うことが多いです。

大腸ポリープの検査方法

便潜血検査

便潜血検査は大腸がん、特に進行がんの発見に有用な検査ですが、腺腫などの良性ポリープの検出率は10~30%程度と低いのが現状です。
そのため、便潜血検査が陰性でも、大腸内視鏡検査でポリープが発見されるケースは少なくありません。

大腸カメラ検査

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し結腸から直腸までを観察する検査で、同時にポリープ切除も可能です。
数ミリの小さなポリープも発見でき、大きさや形状だけでなく、血管構造から種類や深達度も診断できます。
当院では鎮静剤を用いた苦痛の少ない大腸内視鏡検査を実施しています。

大腸カメラ検査について

悪性の場合どうなる?

ポリープ発見後は、まず色素内視鏡検査を用いて、治療が必要な腺腫かどうかを判断します。
治療が必要な場合は、さらに拡大内視鏡観察や、切除後の病理組織検査によって、良性腺腫か腺腫内がんかを鑑別します。

大腸ポリープの治療方法

大腸ポリープは、ほとんどの場合、内視鏡治療が可能です。
手術が必要な場合は、外科手術を行います。
内視鏡治療の適応は、概ね6mm以上の良性ポリープ、およびリンパ節転移の可能性が低く内視鏡で一括切除可能な限局性のがんです。
ただし、5mm以下の良性腫瘍でも、平坦、陥凹型、またはがんとの鑑別が困難な場合は、内視鏡治療の適応となります。

大腸がん

大腸がんとは

大腸がんは、大腸粘膜から発生する悪性腫瘍です。
初期には自覚症状が乏しいですが、進行すると様々な症状が現れます。
些細な体調変化も見逃さず、下記のような症状がある場合は、受診をお勧めします。

大腸がんの症状

大腸がんは初期には無症状ですが、進行すると血便・便秘・下痢・便が細くなる・残便感といった便の変化や、貧血、腹痛、嘔吐などの症状が現れることがあります。
がんの発生部位によって出やすい症状は異なり、下行結腸/S状結腸/直腸に発生した場合は、便の通過障害による腹痛、血便、便の狭小化、また嘔吐などが多くみられます。
一方、盲腸/上行結腸/横行結腸に発生すると、腹部における症状は乏しく、貧血や腹部腫瘤などで発見されることが多いです。

大腸がんの原因

加齢

加齢とともに大腸がんのリスクは高まります。
特に40歳以上の方は、性別に関わらず、生活習慣の改善と、当院での定期的な大腸内視鏡検査、がん検診の受診をお勧めします。

生活習慣

大腸がんは増加傾向にあり、特に女性の患者さんでは、食生活の欧米化がリスク上昇の一因とされています。
その他、喫煙、過度の飲酒、肥満、牛肉・豚肉中心の食生活などもリスクを高める要因です。

遺伝

血縁者に大腸がんや大腸腺腫などのポリープの方がいる場合、大腸がんのリスクは高くなります。
ご心配な方は、当院にご相談ください。

大腸がんの検査方法

直腸診

直腸診では、直腸に指を挿入し、腫瘤や分泌物の有無を確認します。
医療用麻酔ゼリーを使用するため、痛みはほとんどありません。

注腸造影検査

注腸造影検査では、造影剤と空気を肛門から注入し、X線撮影を行います。
がんの位置、形状、大きさ、腸管狭窄の有無などを確認できます。
近年はCT検査も増加しています。
検査前には、食事制限や下剤服用による腸管内容物の除去が必要です。

大腸カメラ検査

当院では、肛門から内視鏡スコープを挿入し、大腸粘膜全体をくまなく観察する検査を実施しております。
検査と同時に組織を採取し、病理検査を行うことで、様々な疾患の確定診断が可能となります。
また、検査中に大腸ポリープなどの前がん病変が発見された場合は、日帰り手術でその場で切除できます。
これにより、大腸がんの予防につながります。
不快感や痛みを最小限に抑えるため、鎮静剤を使用するなどきめ細やかな配慮をしておりますので、不安な患者さんもご安心ください。
当院は、高度な内視鏡システムと経験豊富な専門医により、微細な早期大腸がんの発見にも努めております。

大腸カメラ検査について

CT・MRI検査

CT検査はX線、MRI検査は磁気を用いて、体内の情報を断層画像として得る検査です。
がんの周辺臓器への広がりや転移の有無を確認し、適切な治療方針決定に役立てます。